自己紹介

闘病記&雑記

発症

ある日。

自転車で通勤していたのですが、何台もの自転車に追いかけられたり、数台の自転車や車が私の通り道を塞いでくるので、いつもカーチェイスみたいで、私は遠回りして自転車から逃れながら通勤するといった具合でした。

また、大きな町の交差点の信号が青になって歩いていたら、すれ違いざまに「〇〇」と子供のあだ名を呼ばれて、なんでうちの子のあだ名を知っているのか、情報がどこから漏れているのか、うちの子はまだ小さいのに…と怖い思いをしました。

その後、家の電話が盗聴されていると思い、公衆電話で電話するようになりました。

他にも言い出すときりがないのですが、私は典型的な妄想を抱えた人間で、しかもその妄想を夫以外の誰にも知られないようにしていたので発見が大幅に遅れました。(訳あって夫には妄想丸出しで話していても放置されていました…。怖いですね)

医療につながるのがすごく遅かったです。その間、私は自殺未遂したり、友達を失ったりと散々でした。

それでも本人は病気だとは思わなかったです。私は以前から勘が鋭くて、その鋭さを仕事に生かし、よく成功させていました。(でも病気になってからはピンとくるものがあると、「きっとそれは妄想」と打ち消すようになりました(笑)自分を信じられなくなるのは悲しいものです)

妄想は些細なことから誇大妄想へと広がっていきました。なのに病気ゆえ、本人の中では論理的に全く破綻していないのですから怖いものです。

私は医療保護入院となりました。

でも病識がなかったのと、入院した時に拘束ベルトでぐるぐる巻きにされておむつをはかされて半日放置されたために、これのどこが医療なのかと反発し、看護師さんに隠れて薬を飲んだふりしては吐き捨てていました。

すると半年後、家で問題を起こして、今度は民間の救急車で無理やり別の病院に運ばれてまた医療保護入院となりました。

入った病院はとても厳しいところで、患者も症状が重い人ばかり。前回の病院は入院後3週間くらいで外出OKだったのが、この時は保護室を出た後も全然庭にも出られず、ずっと閉鎖病棟の中で閉じ込められて過ごしていました。

どんな妄想を持っていたか、病院で全くと言っていいほど話さなかったのに、3か月半も入院となりました。この時は日常に戻れない焦りが酷くて、精神的に非常にきつかったです。でも妄想は服薬が功を奏してぴたりと止まりました。

私には薬の効果は絶大でした。薬が合わなかったり、ものすごい量を飲まされて再調整に苦しんでいる方もいるのに、私はラッキーだったと思います。予後が良かったです。

現在

今は妄想はほとんどありません。ちょっとだけ「なんか言われている?」くらいに思うことがありますが、それも「妄想きたな」とすぐに打ち消せます。

それでも退院してから数年間は引きこもりになりました。

妄想を現実のものとして生きている期間が長くて、現実に戻ってきた時に戸惑ってしまったからです。

私はまだ、真の現実を生きる準備ができませんでした。子供の保護者会なども欠席しました。三者面談に行った時などは私なんかが行っていいのだろうか、という思いに駆られました。自分に自信がなかっただけでなく、自分にスティグマを貼っていました。私みたいなものが社会生活を送っていいんだろうかと、卑屈になっていました。先生とは笑顔で会話し、何の問題もなく終わったというのに。

就労移行支援事業所

今私は、病院のデイケアを経て、就労移行支援事業所に通っています。そこで、自分を大切に考えてもいいんだ、卑屈になることもない、堂々と自分らしく生きていいんだと、職員さんや通っている利用者さんから学びました。

後遺症の程度は様々ですが、皆さん一生懸命に日々を過ごしています。個人的には優しくて穏やかな方が多い印象です。疲れやすい方が多いようですが(私もその一人です)でも、こまめに休息を取ることで症状の発現を抑えているようでした。

べてるの家では、症状がある自分も含めてありのままの自分だと、症状ごとまるっと自分を受け止めていたように個人的には感じました。症状を持ちながらも客観的に自分を見つめることの大切さ。べてるの家にはこれが自分なんだと生きる方々と、それを受け止める周囲の人々の素晴らしさがあります。

怖い病気なので、伝えることには慎重であらねばならないと思いつつ、薬を飲むことの大切さと、みんな病気と折り合いをつけながら今日1日を「ぼちぼち」と生きている、その命の輝きは伝えたいです。

私たちは病気に翻弄されている。ともすると弱い。生きていくことは困難だと思う。でも、自分らしく生きたいという思いがある。病気の症状も重さも十人十色だし、回復は紆余曲折を辿るけど、でも一歩一歩進もうと目指すことの大切さを信じている。

何が起こるかわからないのが私たちの生きている世界です。何が起こるかわからないというのは良くないことが起きる可能性だけでなく良いことだって同じように起こる可能性があるという事

大野裕

希望を持っていきたいですね。

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コメント

  1. 初めて拝見しましたが、ここでまでいろいろな状況を乗り越えてこられたこと本当に素晴らしいと思います。差し支えなければ、効果のあった薬の名前をうかがうことはできますでしょうか?
    もし差し支えあればスルーされてください。更新応援しております。

    • cherrymum cherrymum より:

      お知らせありがとうございます。私は当初、ジプレキサを使って著効しました。
      ただしばらくすると、起き上がれないほどのだるさが出て、今はエビリファイを使っています。
      参考になれば幸いです。

      • 返信いただきありがとうございます。
        大変参考になります。少しでも多くの方に情報がとどいて誰かのためになるといいですね!
        更新応援です

        • cherrymum より:

          ありがとうございます。
          コメント頂けて励みになります。
          マイペースな更新ですが、引き続き宜しくお願い致します。

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